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第274号 「4月2日、新メディアグループ、スカパーJSAT誕生」
[2007.03.30号]
地震で被災された皆様にお見舞い申し上げます。ケーブル業界でも、緊急地震速報のシステムの導入が急務になっておりますが、最初の地震にとどまらず、余震が続く中では、余震が来る、という予報も、重要な情報となるわけで、やはり、公共機関を含め、できる限りのところに設置された方が、「減災」につながるのだろうと思います。
3月22日に、ある打合せで、品川区役所に行きました。打ち合わせの時間には、まだ時間がありましたので、近くをブラブラ歩きました。公園があり、子供たちが大勢遊んでいました。少し、探し物をしながら、公園内を歩いてみました。探し物は、「公衆電話」です。緑の公衆電話。赤いクロボタンを押すと緊急時に、10円玉がなくても、緊急通報ができる電話です。どこにもありませんでした。近くには、品川区役所がありますから、そこに行けば電話ができる、ということなのでしょうが、何かの時に、そこまで行けるかどうか。たぶん、というか、当然のことながら、ケータイデンワが普及していますから、利用が少ない公衆電話は消滅する、撤去される、というのは、経済原則からいって、もっともなことなのかもしれません。でも、誰でもがケータイデンワを持っているわけではないし、いつも、持っているのにその時に限って忘れることだってあります。そういう時に限って、何か急に連絡しなければならない事が、起こったりします。(緊急時に、携帯電話の通話は制限される。一番繋がるのは、公衆電話と、NTT千葉の方にうかがったことがあります。それから、テレホンカードは、必ず1枚ポケットに入れて置くようにしています。このテレホンカードを売っているところも少なくなりました。ICデンワは、そのものがなくなってしまいましたが…)
公衆電話が減っているのは、もうみなさんご存知のことだろうと、思いますが、「緊急通報システム」として、何か残しておかないといけない、ということが議論になったという話はあまり聞きません。私が、知らないだけでしょうか。もう、10数年前、出版社時代に、熊本に出張しました。熊本空港から、阿蘇の会議場に向かったのですが、会社に連絡する必要があり、運転手さんに「どこか公衆電話があったらとめて欲しい」といいましたら、「この近くにあるかな? 最近、減っているんだよね。携帯電話が普及しているから…」といってました。「エーっ」と私は、驚きましたが、本当にありませんで、しばらく、そう、10分ほど走って、「お客さん。あれッ、公衆電話ですよね」と運転手さんがいうので、見てみると、確かに、公衆電話で、降りて電話をすることができました。
その後、阿蘇のふもとの会議場までの車の中では、携帯電話をマイク代わりにしたレポーターが、スタジオのアナウンサーと「聞こえますか~?」「よく聞こえますよ~。ぜんぜん大丈夫ですね~」「そうですか。これからはあちこちから携帯電話でレポートができますね~」とやりとりをしていました。スポンサーは、某携帯電話でした。
<これからは、ケータイでラジオのレポートをする時代か~>と思いましたが、今は、「<ケータイでテレビのレポートもできちゃう時代>で、ごく普通の主婦が、<ケータイで撮った映像をYouTubeにあげちゃう時代>になっています。しかも、個人情報に神経質な時代ということもあるのでしょう。ハンドルネームです。
3月19日、五反田のゆうぽうとで、日本ケーブルラボの会合があり参加しました。終了後、4時過ぎに、1階の喫茶室に入ると、喫煙コーナーに6人の主婦(とおぼしき人々)がいました。アイスコーヒーを頼んで、タバコに火をつけて、煙を吐き出すと、「この間、これYouTubeにあげたのよ」という声が耳に入ってきました。我が耳を疑いましたが、「ハンドルネームは何にしたの?」とそれに答える主婦がいます。よくみると、真中に、ケータイデンワ。<この人たち、オレより、メディアを使いこなして楽しんでる~>と驚きのあまり、タバコをポロリと落としそうになりました。そして、思いました。「革命的なメディア環境の変化が起こっている」と。
そうして、こういう時代にケーブルテレビに期待される役割、可能性はなんだろう、と思いました。そして、数日後、冒頭の公衆電話のない公園。こういうところに、緊急用にデンワをつけることも地域の安全安心を担うケーブルテレビの役割かな、と思いました。こういう課題は、WiMAXみたいな無線で解決できるのでしょうか。
固定で設置すると壊される、というような問題がありますが、その辺は、360度動く監視カメラを設置して、危害に及ぶ可能性のある人物を察知すると、警告を発して、赤外線ビームのようなものが発射され、人物が即座に特定されるようなシステムができてしまったりして…。あるいは、上空から、ハッチのパンチが飛んでくる…。昨夜、安酒をあおりながら、アニメ見すぎたかな?
そういえば、3月6日、ケータイを忘れて、赤坂の千代田放送会館で公衆電話を探したがみつからなかった。聞いてみると、公衆電話はないとのこと。近くの赤坂プリンスホテルまで走りましたよ。1台は、置いた方がいいのではないのかな~。(い)
【目次】
◆1.スカパーJSATグループ中期経営計画(抄録)
スカパーJSAT株式会社代表取締役社長(予定)仁藤 雅夫
■ 4月2日、新たなメディアグループの誕生
■ すべての「世帯」とすべての「個人」を対象に市場創造
■ 多チャンネルの主要資源
■ 「お客様主義の徹底」で2011年総登録800万件を目指す
■ 主要サービスのマイルストーン
■ IP時代をにらんだ映像配信事業の枠組み作りに着手
◆2.「スカパー!」と「オンデマンドTV」「アイキャスト」、チャンネルサービスで提携
―4 月1 日、オンデマンドTV上で「スカパー!SELECT チャンネルサービス」開始
◆3.J:COM とクレディセゾンが提携「J:COMMUNITY Card《セゾン》」募集開始
◆4.J:COM、160Mbps 超高速インターネットサービスを2007 年9 月より開始
◆5.横浜テレビ局とKDDIがケーブルプラス電話提供で基本合意
◆6.ベイスターズ応援番組「move on ベイスターズ!」がイッツコムでスタート!
◆7.JCN、ケーブルテレビジョン東京の株式を取得
◆8.日本最大動画共有サイト「AmebaVision」が国内初、投稿者に広告収益還元を開始
◆9.ドロップシッピングサービス「ミセつく」商材として動画ダウンロード販売を開始
◆10.J:COM、緊急地震速報の実証実験を開始―家庭向け緊急地震速報サービスによる、
安全・安心な地域社会の実現に向けて
◆11.CRIとi-HITSが「緊急地震速報の周知・広報」と円滑な運営に向け連携
―衛星系×地上系のハイブリッドシステム推進へ
◆12.ケーブルテレビ無線利用促進協議会(仮称)設立
◆13.自治体・CATV・ISPのIT連携事業がもたらした新しい形の地域活性化
―バーチャル動物園が貢献、須坂市動物園の入場者数が約3倍に増加
◆14.バーチャル動物園2年間のあゆみと今後の須高ケーブルテレビの展開
須高ケーブルテレビ 代表取締役社長 丸山康照
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