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第444号「動き出す『4K』、目指すは『8K』」
[2014.05.31号]
ついにこの日がやってきた。4月1日の合併以来、J:COMとJCNのサービス統合に向けた動きが本格化し、いよいよ6月1日から、JCNの番組ラインナップが消える。もう未来永劫、JCNの番組編成は、復活しないのだ。そう思うと、最後の番組表(雑誌)は、将来何か貴重になるのではないか。《いや、今年に入ってからの番組表は、絶対貴重になる!》と思って、積み重なった雑誌の山を夜中に崩してみるのだが、すべて揃っているわけではない。捨てないだろうから、どこかに紛れているのだろうと思うが。
これまでも、J:COMは各地のケーブル局を買収し、収斂してきたわけだが、少なからず、買収された側の加入者の中には、一抹の寂しさを感じた方も、少なくなかろう。今回、そんな、消えゆく側の一抹の寂しさを感じる。まあ、これも時代の趨勢、生き残るために必要やむことなき選択と、頭では、理屈ではわかっているのだが。『喉元過ぎれば……』ということわざがあるが、これも一時の感情なのかも知れない。
だが、しかし、だがしかし、である。6月1日には、大きな仕事が待っている。
これまでJCNの番組ラインナップで、Smart TV Boxで、3台のHDDに毎週録画している番組の『チャンネル番号』の確認を行い、変更があれば、修正をしなければならないのだ。現在、(一番古参の)HDD1の残り録画時間が13時間。3月24日に導入したHDD2が、筆者の好みの落語を中心に録画しているが、まだ160時間ほど残っている。落語番組が、少なくなっているのだろう。田中将大投手の7勝目の試合もここに録画した。MLBは、夜中に、何も考えずに、ビールを飲むのにちょうどいい。
そして同じ3月24日に導入した家人専用のHDD3は、もう残り時間が60時間ほどになっている。古い映画やドラマをこれでもかこれでもかと録画しているから、どんどん残り時間が減っていく。
最近は、『ジェシカおばさんの事件簿』がやたらと録画一覧に並んでいる。たまにのぞきみると、ストーリーに見覚えがある。子供の頃、見ているのだろう。
そうなると、《ジェシカおばさんは、生きていたらいったいいくつになるんだろう?》などと思ってしまう。オールライツで買い上げることが普通だから、ジェシカおばさんの子や孫に、何かお金が行くというようなことはないのだろうが、番組の販売権は、動産として市場に生きている。
《う~ん。コンテンツビジネスは奥が深いんだろうな》と思わされる。きっと、売れるコンテンツとあまり売れないコンテンツを抱き合わせて、売買されるんだろうな。
リーマンショックを引き起こした金融商品も良い商品と良くない商品を抱き合わせで買わされていた、というから似たようなモデルといえなくもないが、コンテンツの売買の方は、双方が「相場を知っている」ということだろうか。あるいは、金融商品があまりにも膨張しすぎたということだろう。
いずれにしろ、本原稿を書き上げたら、JCNの番組ラインナップとJ:COMの番組ラインナップを比較して、チャンネル番号の変更作業の準備を始めなければならない。
6月1日は、5日後にせまっているから、その日になってからでは間に合わない。詳しく読んでいないが、日付が変わった6月1日の早朝に、変更作業が行われるので、一時休止となるようだ。
それが終わると、名実ともに、「J:COMの加入者」に、切り替わることになる。
しかし、こう書いていて、《うちの回りの加入者は、こういう変化が起こることを意識しているんだろうか?》と気になり出す。近所にも、JCN千葉の加入者はけっこういるはずで、それなりに多チャンネル利用者も多いだろうから、きちんと、「今度、JCNからJ:COMに変わるから、チャンネル番号の変更がたいへんだ」とどこか、この辺の飲み屋で、話題になっているんだろうか、と心配になる。
「JCNからJ:COMへの変更のお知らせ」の冊子が届いても、「何か来てたな」という感じなのだろうか。
そうなると、6月1日以降、「テレビの番組が映らなくなった」 「前と違う番組をやっている」「前に見ていたものがやってない」等々の電話が、コールセンターに入ることになるんだろうな。それで、営業マンが走り回ったり、工事の関係者も引っ張りだされて、顧客対応に奔走する、ことになるんだろうな。
要領のいいヤツは、顧客宅を訪問したついでにコースのアップグレードをしてきたりもするんだろうな。ついでに、Smart J:COM Boxの売り込みなんかもするのかも知れない。
米国で、カリフォルニア州のComcastやタイムワーナーケーブルを訪ねたが、営業の話で、「ドアツードア」という言葉が両社から出た。《やはり、アメリカもドアツードアをやっているんだ》と思った。
「在宅率は高くないのでは?」と質問したが、「確かに、高くない。しかし、それでも契約を取ってくるエージェントはいる」という。ちなみに、現在、売り込んでいるのは、ホーム・セキュリティーの商品だ。
紆余曲折を経ながら、この辺の家庭も「J:COM化」していくのだろう。(い)
【目次】
◆1.8Kスーパーハイビジョン J:COMのケーブルネットワークで伝送実験に成功
◆2.「J:COM Xvie」でプロ野球中継
巨人・ヤクルト・オリックス・千葉ロッテの試合を外出先でもリアルタイム視聴
◆3.J:COMテレビでTBSラジオ、文化放送、ニッポン放送が聴ける!!
~コミュニティチャンネルでAMラジオを同時再放送 関東約441万世帯に~
◆4.6月2日「iTSCOMスポットたまプラーザ テラス」で4K試験放送を開始
~現ハイビジョン放送(2K)の画素数約4倍の高精細画質をケーブルテレビで体験~
◆5.二子玉川ライズ(第2期事業)「iTSCOM studio hall 二子玉川ライズ」を整備
情報・文化・エンターテインメント・地域活動を発信する放送スタジオ・多目的ホール
◆6.CNCI、4Kスーパーハイビジョンの視聴体験ブースを開設
◆7.ジャパンケーブルキャスト、6月2日より4K試験放送配信開始
~次世代高精細放送展開に向け、新たな第一歩を踏み出す~
◆8.東京ケーブルネットワーク、集合住宅向け電力供給サービスに参入
-テレビ画面を利用した電力の見える化や料金明細の確認等を実現可能に-
◆9.平成26年度 日韓共同番組制作 基本合意書締結について
~中海テレビ放送・C&Mメディアワン・鳥取県による観光情報番組~
◆10.栃木市コミュニティFM放送施設整備に係る
運営候補者にケーブルテレビ株式会社が選ばれる
◆11.富山県ご当地アイドル「ビエノロッシ」をPR支援
「100%ヒッツ!スペースシャワーTVプラス」と富山県内ケーブル局
◆12.ケーブルテレビによる地域BWA推進プロジェクトを実施
◆13.アンパンマンの映画最新作 『それいけ!アンパンマン りんごぼうやと みんなの願い』
7月5日公開を記念して 映画25作品を一挙放送!
◆14.郷土史の偉人・歴史・文化などから千葉県の魅力を全国へ届ける番組!
旅チャンネル 『ちば見聞録』 6月放送開始!!
◆15.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内
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