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第447号「7月29・30日、いよいよ『ケーブルコンベンション2014』」
[2014.07.15号]
6月21日の土曜日の朝のことだった。千葉市内のある駅に向かっていると、横断歩道を渡ってくる二十歳前後のかわいい娘さん2人の会話が、すれ違いざまに耳に飛び込んできた。
「……どんな人なの?」「イケメンだけど、ちっちゃいの」「いくつあるの?」「169」「たしかに、もうちょっとほしいわね」
娘さん2人の身長が、どれくらいあるのかわからないが、それほど小柄でもない。かといって、大きい、っと驚くほどでもない。とはいえ、最近の若い女性の身長も伸びているから、160㎝はあるのかもしれない。
169で小さいといわれると、50歳を過ぎて、縮んだせいか、身長170㎝を切って、169のキープも危なくなっている我が身としてみると、いささかぞっとする。中学や高校では、決して小さい方でもなく、かといって高いという方でもなく、真ん中くらいだったのに、いまや二十歳前後の人たちの物差しからいうと、「小さい部類」に入ってしまう。
時の流れというものは、そういうものなのかもしれない。
土曜の朝早くから、BNMUXのトートバックを肩からぶらさげたちんちくりんなオヤジが向こうからやってくる、と思われているのではないか、などと思ってしまうが、そんな心配は、無用のようだ。イケメンの彼の話に夢中になっている彼女たちのひとみには、筆者の影すらも映っている様子はない。
22日の夜、筆者は、秋田の駅前のホテル、α1に投宿していた。その日は、6時過ぎに検見川浜の家を出て、東京駅から、7時36分発、JR東北新幹線新青森行きの「はやぶさ3号」に乗り込んだ。(きちんと記録をしておかないと……。「『運休』によってその日、その時間に、新幹線で新青森に行くことはきわめて困難であった」などと、指摘を受けるといけないので)
最終目的地は、秋田であるが、ひさびさに行く東北だけに、「乗り鉄」でもある筆者の血が騒ぎ始め、土曜の夜は、日付が変わって1時過ぎに、ふとんには入ったものの目が覚めて眠れない。時間帯や天候によって、十分なWi-Fi電波を確保できないふとんの中で、最適な秋田までのルートを確定するために、スマホを検索して、列車の乗り継ぎの確認作業を行っていた。《乗り鉄ではあるが、ケーブル局のある町も訪れたい。日曜日で、休みかもしれないが、ケーブル局の外観だけでも写真に納めてきたい。もし事務所が開いていたら、名刺だけでも置いてこよう。》と、思いが固まっていった。
東北新幹線が新青森まで通ってから、まだ足を運んだことがなかったので、東京-新青森の時間的な距離感がどれほどのものなのか、それを体感するためにも、新青森には行ってみたい。しかし、途中の盛岡から大館まで通っている『花輪線』にも魅力がある。さらに、大館の近隣駅のJR奥羽本線「鷹ノ巣」駅のすぐ隣の「鷹巣」駅から角館までを結ぶ『秋田内陸線』にも乗ってみたい。
1日に、『花輪線』と『秋田内陸線』の2路線に乗るとなると、乗っている時間だけでも6時間は掛かる。となると、最終目的地の秋田に入るのは、22時を回る。これは、肉体的にもだいぶきつい。『花輪線』を次回に回して、まっすぐ新青森に行くことで、腹が決まった。となると、思わず寝込んでしまうことがこわくなり、4時過ぎにはふとんを抜けだし、家人を起こさぬように、静かに出張の準備を始めた。
日曜の朝の6時過ぎの京葉線の車内は、いつもの通勤客とは違って、遠出をする人たちが目立った。季節が良くなってきたからだろうか。弁当を買い込もうと思っていた、京葉ストリートの店舗街は、まだ閉まっていた。
弁当は、ホームの売店で買い込むことにして、新青森までの切符を買おうと切符売り場に並んだが、午前中に出る新幹線の普通席は、どれも満席で、グリーン席しか空いていなかった。ジパング倶楽部の会員になっており、JR東日本の切符を3割引で購入できるので、ためらうことはなかった。
弁当を広げて、腹ごしらえを済ますと、もう「大宮」だった。眠り込むと、次はもう「仙台」だった。ぼーっとしてると、もう「盛岡」。ここから、『花輪線』が出るのか、と思っていると、「いわて沼宮内」。しばらくすると、「二戸」。もう、青森県に入るんだなあ、と思っていると、「八戸」。そろそろ、降りる準備をしないと、と思っていると、「七戸十和田」。急いで、トイレを済ますと、11時には、もう「新青森」に着いていた。東京駅から、3時間24分で、青森にいるのだから、本当に早い。
新青森の駅を降りて、すぐにタクシーに乗り込んだ。新町2丁目の青森ケーブルテレビの前で降りて、「ここに移ったのか」と思って写真をパチリ。そこから青森駅まで歩いて、秋田行きの奥羽本線に乗ろうと思ったが、その日、北海道側では、列車の脱線事故があり、津軽海峡線は、運転を取りやめていた。どうしても北海道へ行きたい方には、フェリーで行く手段が案内されていた。新幹線の中では、「北海道への旅行は見合わせるよう」アナウンスが流れていた。
青森駅構内の混雑が予想されたので、すぐにタクシーを止めて、新青森駅にとんぼ返りした。新青森駅の一階のお土産屋さんで昼食を調達しようとしたが、着ぐるみキャラクターも出て、けっこう混んでいた。時間も迫っていたので、二階の改札に上り、在来線のホームへ降りて、12時02分発のJR奥羽本線秋田行きの到着を待った。空は青く、白い雲がのんびり動いていた。
列車の到着を告げるアナウンスが流れると、思っていたのとは反対の方向から列車がやってきた。方向感覚が狂っているようだ。ホームには、いつの間にか、人がたくさんあふれていた。地元の人もいるだろうが、遠出してきた年配の男女のカップルも多い。自由な時間を謳歌できる世代が増え、割引切符がたいへん「お得」なのが理解され、利用する人が多くなったのだろう。
15人掛けくらいの長いすが向かい合った車内で、進行方向の左側、窓から外の景色が良く見られる席に陣取り、すぐに写真が撮れるようカメラをリュックの上に置いた。しばらくして、老若男女の別なく、何人かは下を向き、目を閉じて、居眠りを始めた。おそらく、近隣のみなさんなのだろう。遠出してきた(と思われる)みなさんは、どこか浮き浮きした様子が見受けられる。
大きな荷物を座った席の両脇に置いた年配のご夫婦は、旦那さんの方が、そのうちそわそわし出して、しきりに窓から外の景色を見ては、奥さんに何やら話をしている。
その方向を見ると、山が見えるから、おそらくあれが岩木山なのだろう。弘前がだんだん近づくにつれて、旦那さんは、とうとう2両目の車両に座っていられなくなり、先頭車両に移ると、運転席の隣で、走り来る景色に見入っていた。「弘前に到着する」というアナウンスが流れる前に戻ってきた旦那さんは、奥さんを急かすように荷物を持ち、ドアを開けると、足取りも軽く、ホームに降りていった。久しぶりの帰省なのだろう。岩木山は、この辺の生まれの方々の「ふるさとの山」として有名だが、旦那さんの様子からも、それはうかがえた。
今回の出張には、スマホだけではなく、iPadも携帯した。したがって、マップを開くと、今、列車がどこを走っているかが大画面でわかる。便利になったものだ。
12時02分に、新青森駅を出発した列車は、13時30分に大館駅に着く。大館駅の出発時間は、13時45分。15分の停車である。
大館ケーブルテレビは、駅前にあるので、15分の間に、ちょっと改札を出て、写真を撮ってくることは、やろうとすれば、できないことはないかもしれない。
しかし、せっかく来た町なので、少しくらいのんびりと、空気を吸ってみたい。腹も空いてきていたので、どこかで、食料も調達する必要がある。
13時45分発の列車に乗っての秋田内陸線との接続駅である鷹ノ巣駅までの移動はあきらめた。しかし、次の14時51分発の特急列車まで、1時間ほど待つ時間的余裕はない。
秋田内陸縦貫鉄道「急行もりよし3号」は、14時37分に、「鷹ノ巣」駅のすぐ隣の「鷹巣」駅から出発するのである。移動手段は、タクシーしかない。大館駅を出て、トイレを済ませ、コンビニでパンと飲み物を買って、客待ちのタクシーに乗り込んだ。
たいへん暑い日だったので、駅前の大館ケーブルテレビとはいえ、走っていって写真を撮り、また走って戻ってきて、タクシーに乗り込む頃には汗だくになってしまうだろう。それに、時間がない。
運転手さんに、「大館ケーブルテレビの外観の写真を撮りたい。それから駅に戻って、少し離れたところから駅舎の写真を撮りたい。その後、鷹巣駅まで行ってほしい。列車は、14時37分発です」と伝えた。
「予算は、どれくらいですか?」と聞くので、《交渉すると安くなるのかな?》とは思ったが、「どれくらいかかるの?」と聞き直すと、「7000円くらいかな~」というので、「わかった。それで行って下さい」と伝えた。
交渉の成立した運転手さんは、眠気がふっとんだように、積極的な姿勢をみせた。
走り出すと、1分も掛からないところに大館ケーブルテレビはあった。時間がないので、事務所をのぞいてみることはせずに、外観だけを写真に納めさせていただいた。
すぐに、駅の方に戻り、駅舎を撮影。空が青く抜けていた。再び、車の向きを変えて、鷹巣に向けて走り出す。30分ほどで着くということだが、途中で渋滞か何かあったら間に合わないから、どうも落ち着かない。
運転手さんは、もしかすると1日の売り上げ目標のかなりの部分をカバーするのかもしれないが、のんびり構えている。そのうち、身の上話を始めた。
宮城県の仙台の方の出身で、タクシー運転手をしていたが、奥さんがこちらの方の出身で、3年前に、奥さんに引っ張られるようにして、引っ越してきたそうだ。
冬の雪には、どうにも慣れず、事故を2回も起こしてしまったこと。あげくの果てには、転んで、手を骨折したともいっていた。ちょうどこの坂が冬の雪の時には、危ないんだ、といっていた。
雪が降り始めると、夜中に雪下ろしを始めるとも。朝までそのままにしておくと、凍ってしまって、どうにもならなくなるから、除雪車が出る。それぞれの家庭でも、総出で除雪を始めるのだそうだ。それを聞いただけでも、雪国の苦労がおもんぱかられる。
地元出身のタクシー運転手だと、地元のことは良く話してくれるが、余所の地域との比較という視点はない。しかし、このタクシー運転手のように、余所の地域から移ってきた人々は、タクシー運転手にしろ、飲み屋のおかみにしろ、いろいろ比較の視点で話を聞かせてくれるから面白い。
いろいろ話を聞いているうちに、発車15分前に、駅前に着いた。JRの鷹ノ巣駅と秋田内陸縦貫鉄道の鷹巣駅が、並んで建っている。急いで、改札に向かい、乗車券と急行券を購入した。(い)次号に続く
【目次】
◆1.《フォトレポート》CNA(秋田ケーブルテレビ)が新社屋に移転
◆2.「ディズニー・チャンネルHD」がスマートフォン・タブレットで
24時間いつでもどこでもリアルタイム視聴可能に!
◆3.累計9億回以上利用された「ざっくぅ」スタンプに新作登場!
全40種類をLINE クリエイターズスタンプ」で販売開始
◆4.横須賀市防災行政無線の告知放送「J:COM 防災情報サービス」で8月1日から配信開始
◆5.地域の安心・安全を目指しJ:COM せたまち(町田・川崎局)で
7月7日より防犯パトロール隊が始動
◆6.J:COM 東上の局舎を東みずほ台に移転
~4Kテレビを体感できる「J:COM フロント」を開設~
◆7.大阪府藤井寺市とジェイコムウエスト「災害時における緊急放送に関する協定」締結
~J:COMチャンネルで緊急時の災害情報等を提供~
◆8.スマートテレビサービスや4K放送が体験できる
「ジェイコムショップ フォレオ博多店」
- 博多区のショッピングモール「フォレオ博多」内に7月19日(土)オープン!
◆9.品川区の協力を得て「防災行政無線」などの防災情報をテレビに配信
『テレビ向けプッシュ型生活情報配信サービス』の実験を7月3日より品川区で開始
◆10.上野原ブロードバンドコミュニケーションズがJC-dataでデータ放送を開始!
~地域コミュニティ情報の充実で市民の役に立つデータ放送を目指す~
◆11.TOKAIケーブルネットワーク、トコちゃんねる静岡、4K試験放送の公開実施
◆12.夏の高校野球愛媛大会、西条ひうち球場から23試合を生中継
◆13.『こんかい新居浜AKAGANE踊り大会』、ハートネットワークが共催・生中継
◆14.全国瞬時警報システム(J-ALERT)による緊急情報のケーブルテレビへの自動配信システム運用開始
-栃木市
◆15.「Kanon」「日常」「ガルパン」「河合荘」「selector」
人気アニメをプレイバック集中放送!「エリア23」夏の拡大スペシャル!
◆16.有料・多チャンネル放送のオリジナル番組・編成企画 計8部門の最優秀賞を発表
-「第4回衛星放送協会オリジナル番組アワード」授賞式-
◆17.第40回 「日本ケーブルテレビ大賞」 番組アワード
-7月28日(月)に贈賞式を開催
◆18.ケーブル・アワード2014 第7回ベストプロモーション大賞
-入賞作品決定 7月29日(火)に贈賞式 開催
◆19.沖縄県・竹富島の見所を4K映像で収録した
『ホリスティックな休日』 旅チャンネルで7月放送!
◆20.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内
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