cbaニュース
第499号「2020年は、どんな日本に、どんな世界になっているのか」
[2016.09.20号]
【よいどれコラム】
過ぎゆく夏を見送り、秋を迎えようとしている。リオ・オリンピック、甲子園の第98回全国高等学校野球選手権大会、2018FIFAワールドカップ・アジア予選、広島東洋カープの25年振りのセントラル・リーグ優勝、そして現在行われているリオ・パラリンピックと、スポーツ番組にテレビのチャンネルを合わせているうちに、何か少し涼しさを感じるようになった。9月下旬は、パシフィック・リーグの優勝争いが熾烈になり、10月に入ると、それぞれクライマックスシリーズが始まり、その後、日本シリーズ。また、数々のドラマが生まれるだろう。海の向こうの米国でも、MLBのポスト・シーズン進出争いが激化し、日本の視聴者層の底辺も広がっているだろう。
昨日(9月16日)、検見川浜の駅前の関西系の大型スーパーイズミヤの家電売り場をのぞいてみると、55型や50型の4Kテレビが、8万、9万を切る値段で売られていた。庶民がついつい買いたくなる7万8800円、8万8800円といった値付けだ。つい6年ほど前、現在2Kといわれているテレビの32型が、8万8800円くらいの値付けになった時に、デジタル液晶テレビに買い替えた。まだ観られるけれども、そろそろ替えておかないと乗り遅れ感を感じるし、あまり間近になると、品薄で高くなっても困るから、デジタルへの完全移行の前の年に、決断した。
「決断」という大げさな言葉を使う必要もないのだろうが、家庭の中の冷蔵庫、洗濯機、冷暖房機器、そしてテレビ受像機などは、家族を構成する一人ひとりに関わってくるので、いつ買い替えるのか、買い替えるとするとどのメーカーのものを選ぶのか、といった合意形成が必要である。こうした合意形成を行ってはいるものの、実際に家電売り場に足を運んでみると、値段の安い掘り出し物があったり、店員の話を聞いているうちに、予定していたメーカーの商品とは違ったメーカーの商品を買っている、というのは良くあることのようだ。
政府の4K・8Kロードマップでは、2018年には、「4K・8Kの衛星による実用放送が開始」される予定で、「地上波では、4K・8Kの放送は行わない(現行2Kの継続)」ということになる。
2018年のFIFAロシアW杯の中継は、おそらくNHKが行うのだろうが、今夏行ったリオのオリンピックの8K放送のパブリックビューイングのようなことができれば、翌年のラグビーワールドカップ2019、そして2020年の東京オリンピック・パラリンピックへと8K放送の普及に弾みがつくのではないか!と、技術を知らないものの強みで、勝手な期待を膨らませる。だが、2018年、ロシアに、8Kの中継車を運ぶこと(日本が本選に出場することが第一条件かもしれませんが)は、厳しいかなあ。それに2019年のラグビーワールドカップは、日本で行われるにしろ、全国の12都市で行われるから、中継車が何台あったらいいんだろう?なんてことを考えると、今年、ブラジルのリオから8K放送の中継が行われ、日本各地のNHKの支局で、観戦できたということは、ものすごいことなのだ、ということを改めて実感する。ただ、8Kのテレビ受像機をどこが作り、どれくらいの価格になるのかは、まだみえてこないようだし、また市場に出たとしても、多くの人が手を出せる価格には、しばらく落ちてこないだろう。そうすると、8Kコンテンツは、8K放送のかたわら、当面、4Kにダウンコンバートされて、放送され、視聴者の目に触れる機会が多くなるのかもしれない。
政府としては、「2020年に4K・8Kが全国の世帯の約50%で視聴されることを目指し」て推進するから、日本の放送事業は、2K(地上波)、4K・8K(衛星)、それにケーブルテレビが、並存することになる。
すでに、2015年3月にスカパーJSATが、124/8CS放送で4K実用放送を開始し、翌4月には、IPTV等により4K実用放送を開始している。また、5月には、ジュピターテレコムが4KVODサービスを開始し、さらに、11月には、NTTぷららが4K実用放送を開始、そして12月に、「ケーブル4K」(一般社団法人日本ケーブルテレビ連盟)が、4K実用放送を開始している。
ケーブルテレビは、2016年(平成28年)3月末で、加入世帯数2948万(普及率52.3%)に達している(総務省調べ)が、4K・8Kの衛星放送を各ケーブルテレビ局で受信して、各加入者宅に向けて再放送するためには、4K・8Kの放送事業者から、「再放送の同意」を得ることはむろんのことであるが、それぞれのケーブルテレビ局で、4K・8Kの信号を伝送する帯域の確保と各加入者宅に設置する2K、4K・8Kに対応するSTBが必要になる。
これからのテレビの買い替えは、(2018年あたりに8Kテレビが出てくるとして)8Kが買える人ももちろんいるだろうが、2Kが壊れたら、「8Kは欲しいけど、手が出ないから4K」という傾向が強まるだろう。
2018年あたりから、4K放送を衛星で観るのか、ケーブルテレビで観るのか、という市場競争が、起きるだろう。
そして、2020年に向け、地域の人・食・文化、そして歴史を紹介できる各地のケーブルテレビ局が、4Kコンテンツを作り続けることが、地域創生にも貢献し、ケーブルテレビの強みにもなるだろう。(い)
【目 次】
◆1.第42 回日本ケーブルテレビ大賞 番組アワード
グランプリ 総務大臣賞 ほか各賞発表!!
◆2.ケーブルテレビ×ヒストリーチャンネル、
4K 共同製作番組企画第2 弾「水が育む歴史ある文化」シリーズ 採用12 作品発表!
◆3.「け~ぶるGiRLS」 LINEスタンプ配信開始
アニメキャラのテレビCMも好評放送中
◆4.「ひかりTV with NCT」10月より提供開始
~ NTTぷらら、ジャパンケーブルキャストとの業務提携によるIPTVサービス 連携3社目に~
◆5.テレビ・インターネット・電話とセットになった「J:COM電力 家庭用コース」
開通世帯数10万世帯突破!
◆6.IoTサービス「インテリジェント ホーム」
新たに愛媛CATV、CACの2局と基本合意
◆7.東急グループ3社、IoTサービス「インテリジェントホーム」を活用した
賃貸住宅の空室内覧を効率化する実証実験開始
◆8.第29 回東京国際映画祭でWOWOW「斎藤工×板谷由夏 映画工房」による
オールナイト上映イベント開催
◆9.WOWOW、2016 年(平成28 年)日本民間放送連盟賞において
オリジナル番組2 作品が最優秀を同時受賞
◆10.メディアキャスト、富山のチューリップテレビへ
新開発のクラウド型データ放送システムを納入
◆11.「ひかりTV」がホームページを大幅リニューアル
~それぞれのお客さまにあった最適情報を提供~
◆12.「ひかりTV」と、映像フェスティバル「第18回DigiCon6 ASIA」が連携
~コンテストで「ひかりTV賞」を新設!受賞監督作品を支援~
◆13.NTTぷららとドルビーラボラトリーズ、
「ひかりTV」で初めてのドルビービジョン対応作品配信開始
◆14.TV 初登場!忍者アニメの金字塔「忍風カムイ外伝」ニューテレシネHD 版
◆15.“スーパーヒロインアワー” がキッズステーションで、10月よりスタート!
◆16.キッズステーション、11月放送予定 放送作品
◆17.旺文社、カシオ計算機、毎日新聞社、おもてなし英語力を磨く
「英語応対能力検定」事業で基本合意
◆18.旅チャンネル『榊原郁恵の町のお嬢さん』9月は上田市へ
旅先の人達とふれあいながら“町のお嬢さん”を探す旅!
◆19.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内
次号へ | cbaニュース一覧 | 前号へ |