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第491号「2020年に向け、あちこちで身近になる『ロボット』」
[2016.05.11号]
【よいどれコラム】
いよいよ5月14日から22日まで、ボストンで行われる「The Internet & Television Expo2016」(16日から~18日)、NY周辺での企業訪問の視察ツアーに出発する。ところが、ひとつ困った問題が持ち上がっている。NY周辺での企業訪問先が、5月8日現在、まだ決まっていないのである。例年だと、出発日の1か月前くらいまでに、いくつかの候補企業の感触が、現地のエージェントから伝えられ、2週間前には、現地の視察コースの順番も考慮して、訪問先を確定する。バスで移動するので、朝の7時過ぎから、2時間走って、午前中の企業訪問を行い、昼は高速道路沿いのマックで済ませて、次の14時のアポイントの訪問地まで、2時間走る、というようなことは当たり前。さすがに、3時間走ると辛いので、2時間、2時間の範囲内で訪問先企業を選定する。
ところが、今年は、4月の27日になっても、色よい返事が現地から来ない。GWに入ると、(日本側の)法人関連の旅行代理店の担当者もそれなりに休むから、情報が遮断された格好になる。気が気でなく、夜、風呂に入る頃には、イライラしてくるので、どうにも酒の助けを借りることになる。普段は、アサヒのドライブラックの500ミリを2本も飲めば、眠くなるのに、逆に頭が冴えてくる。そこから、神経を落ち着かせるためには、やはり日本酒になる。5月3日から5日までの3日間で、2本の一升瓶を空けてしまった。いま、はまっている日本酒は、『日光戦場ヶ原の鬼ごろし』という銘柄だ。ラベルを見ると、実家のある栃木市田村町の北関酒造という酒蔵のお酒だ。生まれた町のお酒だから、水が合うというわけではないだろうが、多少量が多くなっても翌日なんとかやっていられる。
5月6日。ようやく、日本の代理店から連絡があり、「第一希望から正式に断られてしまった。引き続き、並行して進めていた、他の訪問先をプッシュする」ということだった。第一希望として、要望を出していたのは、フィラデルフィアにあるコムキャストの本社。NYからだと車で約2時間のところにある。なんでも「コムキャストセンター」というビルがあり、フィラデルフィアではもちろんのこと、ペンシルバニア州でも一番高いビルで、全米でも19番目に高いビルだという。この約9割をコムキャストが使用しているという。https://en.wikipedia.org/wiki/Comcast_Center_(Philadelphia)
近くには、先々約3000人規模の技術系の人が勤務する「コムキャスト・ラボ」のビルも作られているという話だ。こうしたコムキャストの本拠地、フィラデルフィアにぜひとも行ってみたかったのだが、まず第一関門を突破することはできなかった。今後、並行して進められているという訪問先のどこか一社でも、視察の許諾を出してくれるのか、胃の痛い一週間を過ごすことになる。
こうした難関に直面しているのは、「cbaツアー」ばかりではないようで、他のツアーのオーガナイザーなども、「いつもの年と違う対応」に面食らっている。理由のひとつとして考えられるのは、4月25日に発表されたチャーターコミュニケーションズによるタイムワーナー・ケーブル、ブライトハウスネットワークの買収をFCCについで、米国司法省が承認し、3社が合併した新しい「ニューチャーター」が誕生することに遠因があるという見方をする人もいる。
まず、買収される側のタイムワーナー・ケーブルのそれなりの役職にある人たちが、リストラの対象になって、再就職先などの職探しを始める。 「チャーターの買収計画をFCCが承認する方向だ」ということは、3月中旬には、報道されていたので、早速準備をしていた人も多かろう。リストラされる人が、いわゆる出来ない人かというと、そうでもない。そうすると、いい人材が放出される可能性も高いので、ケーブル業界全体の雇用市場が動き出す。
そうなると、多少の謝礼を用意したくらいでは、日本からの視察チームを受け入れる、というところまでの余裕はない。株主関連でもあれば、別だろうが。
米国では、5月に、テレビシーズンが終了し、9月のテレビシーズンの開始に向けて、さまざまな新しい準備が始まる。米国でも、若者世代のテレビ視聴時間の減少が問題になっており、テレビコンテンツは視聴するが、その端末は、タブレットやスマホであるという現実が広く社会に認識されるようになった。ケーブル業界も、コムキャストが、OTT陣営に対抗して、自社のブロードバンド回線を利用してストリーミングサービスを開始しており、ニューチャーターも同様のサービスを開始する。『ケーブル業界×衛星・通信業界×OTT』に、スポーツコンテンツや映画・ドラマなどのコンテンツホルダーを交えた熾烈な生き残り競争が、やむことなく繰り返されている。競争こそが社会の発展の原動力である、というのが基本の社会だからだ。今回の買収承認で、社会の競争状態を維持し、さらなる消費者の利便性に供するサービスの創出を目指すFCCのブロードバンド政策が、また一歩前進した。
NYでは、来日の際に、米国のケーブル事情について講演をお願いしている中谷雅文さんのお宅を訪問することになっている。
コムキャストのSTB「X1」ボックスが良く出来ているというので、ツアー参加者のみんなで見せてもらいに行く。(い)
【目次】
◆1.日本ケーブルテレビ連盟が「女性活躍推進部会」を新設
~“男女が共に輝く多様な働き方の実現”による業界競争力向上を目指して~
◆2.J:COM すみだ・台東がフットサルチーム「フウガドールすみだ」とスポンサー契約
~ユニフォームのスポンサー契約に加え応援番組を放送~
◆3.ちょびっとづかん、TVアニメ化決定!
「こびとづかん」のスピンアウト!テーマソングはTEMPURA KIDZが担当!
◆4.4K機材制作のオリジナル番組シリーズ放送!
旅チャンネル4Kシリーズ『キノイロ美瑛 ~北海道びえい絵巻~』5月放送!
◆5.電通、成長戦略の加速に向け、新会社「株式会社電通デジタル」を設立
― デジタルマーケティングにおけるリーディングカンパニーを目指す ―
◆6.電通、屋外デジタル広告におけるターゲティングの実用化プロジェクトを発足
― ディープラーニングを活用、クラウディアンなどと実証実験に着手 ―
◆7.電通、日本初の「プログラマティック・オーディオアド」をローンチ
◆8.新大人研レポートNo.27 新しい大人世代の食の意識と行動 60代、
夫婦ふたりの「アラカルトグルメ」
◆9.博報堂DYグループの株式会社SEEDATA、「介護者」に着目した実態調査を
NTTアイティ株式会社と協働実施。調査分析レポートの共同販売を開始
◆10.NTTが、NTT武蔵野研究開発センタにて「NTT R&Dフォーラム2016」を開催
◆11.トヨタ・PFN・NTT、「ぶつからないクルマ」のコンセプトを具現化
~自動車・路側インフラ設備から収集した情報をリアルタイムに分析・
学習し、走行中の自動車に提供~
◆12.ロボットやデバイスを連携制御できる技術「R-env:連舞」のオープンな開発を推進
~メーカーや開発者、サービス事業者と共に新たなデバイス連携サービスの
実現を目指す
◆13.2020年に向け、注目する選手個人を擬似3Dでリアルタイム中継!
~ イマーシブテレプレゼンス技術「Kirari!」の研究開発が進展 ~
◆14.ラスベガス歌舞伎公演「獅子王(KABUKI LION)」のヘッドマウントディスプレイ
による遠隔視聴実験見学会を開催!
◆15.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内
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