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第473号「お盆過ぎ、暑さやわらぎ、虫の声」
[2015.08.20号]
【よいどれコラム】
8月11日。たいへんに暑い。朝方にメールの処理やらしているうちに、11時を回ると、窓を開け放したクーラーのない部屋の温度は、どんどん高くなってくる。どうにも作業が進まなくなると、クーラーを効かせた隣の部屋に行くが、もうそれ以上、仕事をする元気は失せている。気晴らしに、銀行回りに出掛けたりするが、銀行もスーパーも、イオンも、それほどクーラーを効かせていないので、「ホッ」とする瞬間がない。メリハリがなく、ぬるいお風呂に入ったようで、「気持ちの切り替え感」がない。ただ、だらだらと暑さが続く。そして、昔、あれほどギンギンに冷房を効かせて、寒いくらいだったJRの電車も、肌をぬめるようなクーラーの効かせ方で、暑いホームから、空間移動しても、移動した実感が少ない。先週、実家のある栃木に出掛けたが、こちらの暑さは、千葉とはまた少し違う。なにかこう、熱い綿飴にくるまれたような暑さである。内陸特有の暑さなのだろう。千葉は、まだ海が近いので、風が吹いてすくわれる。
8月7日。広島駅の新幹線ホームに降りると、少し、涼しい感じがした。少し風があったせいかもしれない。もちろん、暑いには暑いのだが、千葉とも、栃木とも、東京都心の暑さとも、違った暑さである。駅前のホテルグランビアに荷物を置いて、ちゅぴcom(ふれあいチャンネル、ひろしまケーブルテレビ)の入る広島市中区土橋の中国新聞ビルに向かった。乗り込んだタクシーの運転手さんに、「今日は涼しい方ですか?」と尋ねると、「暑い」という。「それでもいくらか、昨日よりはいいかもしれないですね」と言葉をついだ。広島東洋カープの二軍戦の試合の生中継を始めた経緯などを伺い、翌8日の現地取材の段取りなどの打ち合わせを行った。夜の懇親会も、早めに切り上げた。
翌日は、8時過ぎに、土橋を出発。撮影クルーの第2陣の車に乗り込み、山口県岩国市由宇町にある『広島東洋カープ由宇練習場』に向かった。中国自動車道を西に向かい約1時間。練習場は、本当に山の中にあった。高速を降りたところにある数少ない由宇球場近くのコンビニのセブンイレブンでは、色紙とサインペンを売っているという。それだけ、お客さんが来るようになったということだろう。「高速を降りて走っている車は、ほとんどが由宇球場に向かう車」と同乗のスタッフがいったが、本当にみんな球場の駐車場に吸い込まれていく。駐車場では、地元の「由宇協力会」のみなさんが、駐車場の整理にあたる。駐車料金は、500円。車は、みんな球場におしりを向ける形で止められている。ファールボールが飛んできて、車のガラスを割ることもたまにあるからだという。フロントガラスが割れないように、おしりを向けて止められる。まだ、9時半を過ぎた頃だが、すでに50台以上の車が止まっている。良い場所を取るために早めに出掛けてきたのだろう。
試合開始は、12時半。練習場という位置づけなので、試合観戦は無料だ。芝生の内野席が開放されている。外野席にも芝生が植えられているが、ここは開放されていない。しかし、グルリと球場を囲むように歩道が整備されているので、外野からも試合観戦ができる。ホームランボールを狙う人は、ここに陣取るようである。ファールグランドがたいへんに広い。山の中に切り開かれた球場なので、UFOが間違って降りてこないか、と思ってしまう。観戦に訪れるファンは、みな白や赤のユニフォームを羽織っている。やはりここまで足を運ぶのは、根性の座ったカープファンである。老若男女、さまざまな年代の人がいる。若い女性のグループ、カップル、親子、一族と幅広い。すでに、カープの選手が、バッティング練習を行っていた。
一軍と二軍を行ったり来たりしている選手も多いので、自分の応援する選手の一軍昇格を願っての応援ということもあるだろう。マツダスタジアムのチケットがなかなか手に入らないので、選手を近くで見たいということもあるだろう。うまくすれば、サインをしてもらえる、ということもあるだろう。グングン気温が上昇していくなかで、三塁側の広島の応援席がどんどん赤く染まっていく。
12時半。試合が始まり、実況中継が始まった。実況は、元地元民放アナウンサーの加藤進さん。解説は、広島東洋カープOBの小林誠二さん、球団編成部編成課長の比嘉寿光さん、カープ番記者としてならした中国新聞OBの時永彰治さんのお三方。ここに、中国新聞記者の迫佳恵さんの応援席からのレポートが加わり、生中継に厚みをます。自宅のテレビのスイッチをひねると、この試合が見られる環境は、カープファンにとってはたまらないだろう。夜は夜で、一軍の試合を楽しむことになるのだろう。一軍と二軍をシームレスに楽しむ格好だ。
試合は、1回の裏に、堂林選手の先頭打者ホームランに続き、エルドレッドが右中間席に、ボールを運んだ。昨年度のホームラン王の実力を目の当たりに見た。この日は、広島のホームランが花火のように飛び出し、広島がオリックスを下した。8対3くらいではなかったかと思うが、あんまり暑かったので、頭がボーッとして、スコアは覚えていない。ホームランが飛び出すたびに、外野席を越えて歩道に転がり出るボールを子供達が追っかける。エルドレッドの、この日2本目のホームランは、左翼席を越えた歩道で大きく跳ね、待っていた子供の頭を越え、奥へ転がり落ちた。しばらくすると、そのホームランボールを拾った子供が、元気よく、三塁側のダッグアウト裏にやってきた。サインを求める「声掛け」も堂に入っている。時間がなくて、サインはもらえなかったが、その子にとって、カブトムシやクワガタよりも、カープ選手のホームランボールが宝ものなのかもしれない。(い)
【目次】
◆1.《フォトレポート》「CARP TIMES ウエスタン・リーグ中継」
◆2.中国新聞社が、広島市の防災情報をケーブルテレビ経由で提供
◆3.CNCI、新方式の無線ブロードバンド「地域BWA」の無線局免許を取得
◆4.泉佐野市 市民総合体育館ネーミングライツを取得
~ 新名称は「J:COM末広体育館」に決定 ~
◆5.J:COM 仙台キャベツと富谷町が
「災害時における放送等に関する協定」を締結
~J:COMチャンネル仙台で災害時に緊急情報を提供~
◆6.恒例企画!ケーブルテレビ局制作によるご当地歴史番組のグランプリを決定
「第4回ヒストリーアワード~地方の歴史から日本を紐解く~」開催!
◆7.夏だ!祭りだ!ヒーローだ! 「キッズステーション ヒーロー夏祭り!」 開催!
◆8.楽天グループのViki社、韓国ポップカルチャーのオンラインメディア
「Soompi」を買収
◆9.旅チャンネル『榊原郁恵の町のお嬢さん』 8月は北海道・旭川へ!
旅先の人達とふれあいながら“町のお嬢さん”を探す旅!
◆10.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内
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