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第467号「「ケーブル」という名前を捨てた米国ケーブル業界」
[2015.05.18号]
【よいどれコラム】
5月4日に日本を発って、11日に、全員無事に日本に戻ってきた。日本に戻って5日目。ようやく、体の移動に、気持ちが追いついてきて、《さあ報告書のまとめ》と思ったら、空から、数分おきに爆音が聞こえてくる。幕張海浜公園沖で開催される「空のF1」レッドブルエアレースである。寝ている時に、蚊が耳のあたりに飛んでくるとうるさいものだが、それを大きくしたような感じで、耳に飛び込んでくる。16日の本番に備えて、練習が行われているわけだ。一応、放送番組の録画予約はしているが、その前に、爆音だけは、自分の耳で体験することになった。
体験といえば、今回の視察ツアーでは、貴重な体験をすることになった。現地時間の5月6日、コンベンションを終えて、12人で、シカゴ・ホワイトソックスの本拠地U.S.Cellular Fieldに出掛けた。イベントの開催地は、有名都市がほとんどだが、その都市に本拠地を置くMLBの球団のホームゲームが、イベントの開催中にある、ということは、偶然の幸運である。ホテルのコンシェルジュで予約したチケットは、ひとり50ドルしたが、チケットを受け取ると、額面表示には、17ドルと書かれていた。代理店を通して買っているので、約3倍になるのかと思ったが、球場に行ってみて、「チケットがない」といわれるよりはましである。前日に、同じコンシェルジェで、チケットを買おうと思ったが、「売り切れだ」というので、6日の分をすぐさま予約した。球場に行ってみると、けっこう空席が目立つので、5日の晩も、球場に直接来れば、それなりにチケットは手に入ったのではないかとみんなで話した。
ただ、一番ラッキーだったのは、5日の夜よりも、ずっと暖かだったことだ。それでも、やはり寒い。スマホの温度表示は10度くらいだったが、風もあったので、体感温度は、5度くらいではなかったろうか。(ちなみに、この日の昼間、現地在住の日本人通訳の女性は、「今日は暖かい」といっていた。昨年は、5月17日に雪が降ったそうであるから、シカゴはけっこう寒いと思っていた方がいいのだろう。半袖のTシャツで歩いている白人男性もいるが、体の仕組みが違うのだろう)
手に入れたチケットの席は、左中間のバックスクリーン脇だった。よくホームランが飛び込む席だ。その日も、3本ホームランが出た。試合は、シーソーゲームの末、ホワイトソックスが8回裏に逆転して、クローザーが9回表をしめ、タイガースを下した。寒さに耐えかねて、「温かいラーメンが食べたい」と7回表で帰った別のツアーの方から、「やめた方がいいです。とてもぬるかった」と誰かのLINEに連絡が入っていた。帰りの電車の壁面には、そのお店の広告が出ていた。
翌朝、NYへの移動のため、ホテルを7時過ぎに出た。昨晩の寒さのためか、腰に痛みを感じたので、念のためスーツケースにしのばせておいたホカロンを取り出して、左右の腰に貼った。
バスは、何事もなく空港に着き、荷物を預け、検査場に並んだ。ベルトを外し、上着を脱ぎ、靴も脱いで、順番を待つ。両手を高く上げて、X線検査を受けると、何事か音が鳴ったような気がしたが、気にはならなかった。
男性の職員が、ボディチェックをして、それで終わりかと思ったら、女性職員が、手の平を見せるようにいう。手の平を見せるようにいわれたのは初めてだったので、《何事か》と思ったが、何か試薬が付いたようなもので、手の平をぬぐい、検査マシーンに掛けている。しかし、思うような結果が出なかったようで、大声を張り上げて、誰かを呼んでいる。すでに、この時には、《何かが引っかかったのだろう》とは思ったが、《いったい何が?》と思いつくようなものはない。
黒人の男性3人がやってきて、筆者の荷物をチェックする。この時点で、《乾電池とかカメラとかICレコーダーとか、ぎゅっと詰め込んであるから、それがいけなかったのかな》と思った。
しかし、どうもそれでもないらしい。小部屋の方に入れというので、指示にしたがう。
日本からの添乗員のUさんも心配そうに見守っているが、口は出せない。ひとりの職員が、ボディチェックをするから、いいな、という。指示に従うしかないので、「OK」というと前の方から念入りにチェックを始めた。
背中に回ると、腰のホカロンを見つけて、「これはなんだ?」というので、《これが引っかかったのか》と、ようやく気がついた。「風邪を引いていて、体を温めるためのものだ」というと、「ヒートパッドか?」というので、「そうだ」というと、ようやく納得したようだった。《しかし、ホカロンが引っかかったのなら、先ほどのX線チェックでも、わかるのではないだろうか》と思った。「はがす必要はあるか?」と聞くと、「その必要はない」という。彼は、自分の耳を指さし、「よく聞け」というような仕草をした。
彼がいうには、「ヒートパッドは、化学反応を起こすもので、その反応が手に残っていて、それが引っかかった」という。《ヒートパッドの熱がいけなかったのではなく、「手に付いた化学反応」が問題だったのか》と驚いた。
それにしても、寒いときに何気に貼っているヒートパッド。いつも手には、化学反応が残っているということか。それに反応する検査システムもすごいものだと思った。(い)
【目次】
◆1.『INTX2015と最新アメリカCATV事情視察ツアー』レポート(その1-大型電器店)
--ケーブルブロードバンドの加入世帯が5500万を超えた米国
◆2.ケーブルテレビ株式会社(栃木・館林・結城・筑西)、
ソフトバンクの固定電話サービス「ケーブルライン」を提供開始
◆3.秋田ケーブルテレビ(CNA)、ライブカメラを活用した新チャンネルの放送開始
◆4.J:COM TVに最上位コースが登場
新TVサービス「J:COM TV スタンダードプラス」を5月22日提供開始
◆5.ケーブル・アワード2015 第8回ベストプロモーション大賞 入賞作品決定
◆6.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内
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