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第465号「知らぬ間に、増えていきそな4K制作コンテンツ」
[2015.04.20号]
【よいどれコラム】
4月8日は、東京で雪が降った。5年振りというから、それほど珍しいことでもないのかもしれない。しかし、(千葉でも)寒い。
3月の下旬の頃は、桜の満開をあせらせる好天が続いたが、年度替わりを境目に、めっきり太陽の姿を拝む日が少なくなっている。
お昼前に、マンション裏の歩道脇にあるポストに、葉書を投函しようと外に出ると、向こうから、傘をさした3人連れがやってきた。すれ違いざまに顔をのぞき見ると、父、母、娘。小学校の入学式の帰りなのだろう。だが、言葉もなく、寒そうに、足早に、歩道を渡っていった。この娘さんが、二十歳になる時、成人式の日に、雪が降らなければいいな、と思った。そんな巡り合わせというものは、けっこうあるのではないだろうか。
4月に入り、マンションの大規模修繕工事が始まり、空きスペースに、プレハブの現場事務所兼作業員詰所があっという間に出来上がった。
いままで、朝は、早朝からマンション内の清掃をしてくれている(頭巾をかぶり、手拭いで鼻と口を覆い、目だけを出している)年齢不詳のおばさんの元気な「おはようございます」の声が、窓の外から聞こえてきていた。
今は、これまで以上に、「おはようございます」という挨拶の声が、マンション内に響き渡っている。
朝の作業員同士の挨拶もそうだが、作業員の方が、顔を合わせた住民一人ひとりに挨拶するから、おのずとあちこちに「おはようございます」の声が増える。
ビッグデータ的にみると、スマホのマップで、マンションを出してみると、あちこちで、「おはようございます」の棒グラフが伸びている、というようなことだろう。
日常にない、非日常の、異文化の世界が繰り広げられ、そして半年後、また新装開店した日常に戻っていく。
マンションの修繕に誘われたわけではないが、4日の土曜日から、部屋の掃除、というか、断捨離を敢行することにした。
ここに移ってきて、早くも17年目。かなりの紙の書類が部屋のあちこちに詰まっている。自分では、何度か、大規模な廃棄掃除をしたつもりだが、増えた紙の量は、そんなことはものともせず、生活スペースを奪っていく。
ここで捨てないと、もうこれ以上入らない、というところまできて、しぶしぶだが、取り組むことにした。
土曜、日曜、月曜と紙の書類の廃棄作業に取り組んで、道のりの遠いことを実感した。できるところまでやろう、2割は減らそう、と老体にむち打って、作業に向かう。
前々から、机を一つ処分して、そこに書棚をおいて、収納をしようという提案が家人から出されていた。3日続けて作業をしたのと、ちょうど7日がマンションの断水の日で、家にいても満足な作業ができないので、「収納家具」を探しに、隣駅にある「かねたや」と、初めての挑戦で、「IKEA」(船橋店)に出掛けてみることにした。
「かねたや」は地元のお店で、前に何度か家具を購入したことがある。海浜幕張のメッセと反対側にあり、火曜日ということもあって、ゆったりとした空間を感じながら、あちこち探し回り、めぼしいものを3点(2万8000円、4万5000円、6万9000円)ほど見繕って、IKEAに出掛けることにした。
海浜幕張の中華屋でお昼を済ませて、IKEAのある南船橋へ。スマホのマップでは、駅から5分ほどかかりそうだったが、駅を出るともう目の前にどっかりとIKEAがある。
その総体からいうと非常に小さい「入り口」という看板が見えた。
川端の雪国でいえば、国境の長いトンネルの入り口である。
臆病な性格であるから、新しいものに慣れるまでに時間がかかる。
おそるおそる入り口を入って、エスカレーターを上り、コースにしたがって歩き始める。
案内板には、公園の散歩道のような行き先表示が出ている。佐原の菖蒲園を散歩するような感じだ。
歩き始めてすぐに、午前中にあれがいい、これがいいといって、購入候補としてノミネートした「かねたや」の収納家具のイメージ映像が、だんだん遠くに、そして、フェイドアウトしていくのを感じた。取って替わられたのである。頭の中には、目の前にあるIKEAの収納家具しかない。
これから帰って、かねたやの3点の中から、一つを選ぼうという気持ちはすっかりなくなっている。
かねたやの名誉のために記すが、もちろん、かねたやの家具は立派だし、お客さんも何組もいて、販売員もお客さんに呼ばれると急いでやってきて(不必要に付いてまわらない)、丁寧にコミュニケーションを取りながら、接客をしていた。
しかし、今回の筆者と家人は、IKEAの「自由な組み合わせ」にひかれてしまったのである。
「IKEAは、セルフサービスのお店」ということは知っていた。だから、ちょっと、敬遠していた。だが、とりあえず今回は、「IKEAを見ずには、購入はできないだろう」という社会的な雰囲気を感じていて、出向いたわけである。
これまで、京葉線の中で、IKEAの袋を持った若い世代の人たちの姿をずっと見続けてきた無意識の広告効果に導かれた行動といってもいいだろう。
フロアーには、1DK、2DK、3DKなどの部屋の「組み合わせ事例」が展示されており、若いカップルが、何組も、「あれをこうしてこうすれば」などと、自分たちの部屋の自由な作り込みを行っていた。
しかも、それほど高くない。予算に合わせて、組み合わせができるのもいい。というわけで、今回は、若い世代並の予算で、収納家具を購入した。
それからが、たいへんだった。公園の散歩道のようなところをグルグル回り、セルフサービスコーナーで、倉庫から自分の購入したい家具のパーツを集め、PCで、新規顧客カードの入力をして、レジを済ませ、配送の手配。
自分で組み立てるのはいやなので、組み立てもお願いした。
一連の作業を終えて、出る前に、ご褒美にスエーデンのビールを何本か購入した。
これも、袋は付いてこない。必要ならば、有料。徹底的なコストダウンで、安さを生み出しているのだろう。
しかし、異文化体験は疲れた。何しろ、フロアーが「碁盤の目」でないのが、大きく違う。欧州、特にスエーデンでは、公園を散歩するように、ショッピングを楽しむのだろう。
そういえば、近所の娘さんがスエーデンに嫁いでおり、クリスマスにご両親がスエーデンを訪れた。孫の男の子にせがまれてみんなで行ったファミリーレストランはIKEAだった、というから、向こうでは、IKEAは、庶民の慣れ親しんだ社会システムの一つなのだろう。
でも、そういえば、船橋店でも、子連れの若いおかあさん方が、たくさん、レストランで楽しんでいたな。こちらでも、というか船橋では、社会システムとして定着しているのかもしれない。
その後、10日の英会話スクールの際に、米国人講師に、IKEAに始めて行った話をすると、「IKEAは、全米の多くの都市にあって、たいへん賑わっている」という。しかも、そのシステムは、まったく同じ。子供の頃から、LAで、IKEAに親しんでいた彼は、京葉線沿いに、スエーデンのフラッグが見えた時、「IKEAがやってきた」と小躍りして喜んだという。
それからというもの、かねたや派だった彼はすっかりIKEA通い。高校生になる息子や娘の部屋は、すべてIKEAの製品で、整えられているそうだ。「IKEA KIDS」である。
Netflixが秋に日本にやってくる話をすると、彼は、「日本法人のアカウントを取り直さなければならないだろう」という。現在は、LAのアカウントで、Netflixを視聴しているそうだが、日本法人ができると、やはり、「こちらのアカウントにしろ」といわれるだろうという。「なぜ?」と尋ねると、「Huluもそうだったからだ」という。
彼は、Netflixは、ドラマなどの全話を一挙に公開するので、土日に全部を見てしまうという、米国で、「binge watch(ビンジ・ウワッチ:度が過ぎたテレビ視聴)」といわれる視聴習慣が、日本でも普及するのではないかという。
はたして、そうなるのか。年末には、その結果がみえてくるだろう。(い)
【目次】
◆1.《フォトレポート》『ケーブルテレビショー in KANSAI 2015』 開催
~家族みんなで楽しめる!エンターテインメントの祭典
◆2.ケーブルメディアワイワイ、ライブカメラを活用した河川情報等の放送開始
◆3.石見銀山テレビ放送、データ放送で「道路LIVEカメラ画像」を放送開始
◆4.「防災行政無線の音声をテレビで聞く」サービスの実証実験、
荒川区・千代田区・文京区で開始
◆5.テレビ小松とジャパンケーブルキャストが「小松 曳山子供歌舞伎2015」
を生中継!
◆6.愛知県丹羽郡大口町で「CCNet光」開始
◆7.「ざっくぅ」の動くLINEスタンプ、登場!
全16種類を4月14日から、4週間限定で無料配信開始
◆8.ディズニーオリジナル動画アプリ「WATCHディズニージュニア」を
4月9日より提供開始
◆9.「J:COM電力」を一戸建て等にも提供開始
J:COMサービスとセットで電気料金がお得に!2016年4月にスタート
◆10.佐賀県武雄市のケーブルワンで入社式
◆11.ケーブルコンベンション2015 関連イベント「ケーブル技術ショー2015」
来場登録・技術セミナー等の参加申込み受付開始
◆12.「iTSCOM STUDIO & HALL 二子玉川ライズ」イベント内容決定!
~高級外車展示会や映画祭など、多彩なジャンルのイベントを展開
◆13.4K機材制作のオリジナル番組シリーズ放送開始!
旅チャンネル4Kシリーズ 第1弾『秘境駅の旅』 4月放送!
◆14.「ナショナル ジオグラフィック チャンネル」と「ひかりTV」が
4K映像を共同製作『THE LIGHT ~中村修二が灯した光』
◆15.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内
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