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第510・511合併号「30年目を迎える『都市型CATV』」

[2017.03.27号]

【よいどれコラム】

3月22日、WBCの準決勝で、日本が米国に、1対2で負けた。惜敗である。米国チームは、MLBのスター選手がずらりと顔を揃えていた。去年、テレビ画面で、よく見た選手がほとんどで、今年も、活躍間違いなしの選手ばかりだ。
 そして、今年も勝負所でのきわどいプレーの判定の際に、活躍するのが、「ビデオ判定」だ。WBCでは、準決勝・決勝は、ホームランの判定以外にも要求できるというルールで、この試合でも、何度かビデオ判定が行われた。
 このビデオ判定のシステムは、NYにあるMLB アドバンストメディアと多数のカメラを設置した全米各地の球場をブロードバンドでネットワークして映像を収録し、「ビデオ判定」の要求が出ると、多方面から収録した映像を(その日担当の)ひとりの責任審判が検証して、判断を下すというものである。
 「動画配信ネットワーク」の基本形ともいわれる。早くから、全米各地で行われる大リーグの試合の映像を一カ所に集め、さらにそれをネット配信し、海外でも、料金を払えば視聴できるようなサービスを展開しているからだ。昨年のINTX2016の際に、NYでの訪問先のひとつに挙げられたが、残念ながら、日程が合わずに、訪問できなかった。
 別のグループは、スケジュールが合い、訪問できた。そちらのグループに参加した友人は、米国の映像配信ビジネスのスケールの大きさを感じてきたようである。

 翌23日午後。移動中の電車の中で、スマホのニュースページを開くと、『WBC アメリカが悲願の初優勝』という見出しがあった。誰にとっての「悲願」かは別にして、野球発祥の国としては、まずは、タイトルを取って、一安心といったところか。22日の夜。いつものシェーンのレッスンがあった。LA出身のドジャース大好きの講師Kにとっては、ドジャースタジアムは、ホームグラウンドのようなものである。
 ただ、日米決戦のスタンドは、雨のせいかもしれないが、お世辞にも「大勢の観客で埋まった」状態とはいえなかった。
 Kによると、米国でのWBCの盛り上がりは、いまいちなのだという。だから、春の段階では、予選を行うのみで、準決勝・決勝は、7月の大リーグのオールスターゲームをはさんで行ったらどうかという案もあるのだという。
 つまり、「WBC準決勝、オールスターゲーム、WBC決勝」と3試合を行う。春よりは暖かい時期で、バッターも調子が上がってきており、投手もエンジンが掛かり、最高のプレーをみせることができる。したがって、観客動員数も増え、テレビの前の視聴者も魅了することができる、という案なのだそうだ。参加国の国内リーグとのスケジュール調整が必要になるが、ビジネス的な「盛り上がり」を考慮すると、そういう案もあるということだ。

 何年か前、視察ツアーの訪問先企業で、スポーツコンテンツの高騰の話になった時に、先方の担当者が、分かりやすい例として、ヤンキースの田中将大投手を例に挙げた。「彼のような優れた、高給を稼ぐ選手が日本からやってくる。そうすると、当然、ヤンキースの放映権が高くなる。それを放送するケーブルネットワーク(日本でいうサプライヤー)は高いお金を払って放映権を買うので、ケーブル局側にも高い卸料金を請求する。ケーブル局は、それをお客さんに負担してもらうので、スポーツコンテンツの料金が高くなる。」という流れだ。
 しかし、お客さんが料金を払ってくれるので、ケーブル局はなんとか、リクープできている。スポーツコンテンツの発掘は、大学、高校のレベルにまで及んでおり、(スポーツの試合などのコンテンツを高く買ってもらえるので、その収入をもとに)立派な体育館を持った大学や高校もたくさんあるという。

 そんな話をKにすると、昨年、タイムワーナーケーブル(TWC)に問題が勃発したという。TWCは、7年間の高額なドジャースの放映権を購入している。TWCは、カリフォルニア州以外の地域でも、ケーブル事業を展開しているが、放映権は、加州のみ。もともと、加州以外では、ドジャースの試合をみたいというニーズは小さいし、商売にならない。
 そこで、TWCは、高い放映権をリクープするため、当初、『ドジャースチャンネル』のような単品のペイチャンネルを打ち出そうとした。しかし、それでは、収益が小さいので、ベーシックの中にドジャースチャンネルをいれて、5ドルほどの値上げをした。多くの人が地元のドジャースのファンで、5ドルくらいの値上げは受け入れてくれるであろうという想定であったのだろう。だが、少なからず、ベーシック料金の値上げに反対する人がいて、DirecTVに乗り換えた人もいたという。
 そこで、TWCは、DirecTVに、ベーシックでの放送を条件に、「ドジャースチャンネル」の再販を提案したが、単独のペイチャンネルでの「ドジャースチャンネル」の販売ならまだしも、ベーシックでは意味がないと一蹴されてしまった、という。
 もちろん、TWCの加入者の中には、多くのドジャースファンがいて、球場に行けない日は、家庭のテレビで試合を楽しんでいるだろう。だが、コンテンツビジネスの視点でいえば、TWCは、加州でのドジャースの試合の独占販売権を持ちながら、十分なリターンを得ることができず、苦難に直面している状況にあるという。
 やはり、コンテンツを持っているというのが、一番強いのか。(い)

 

【目次】

◆1.「都市型CATV」開局第1号の多摩ケーブルネットワークが30周年
   -次の30年に向けて、BCP(事業継続計画)を強化

◆2.第 9 回ラボワークショップ「イノベーションショーケース」開催

◆3.「ケーブルテレビテクノフェア in Kansai 2017」開催

◆4.IoTサービス「インテリジェントホーム」のLINE@アカウント開設
   「LINE」アプリで自宅のIoT機器を操作できる機能を5月より提供開始

◆5.イッツコムTVにて4K放送が視聴可能に
   ~ 4K放送に対応した専用チューナーのレンタルサービスを開始 ~

◆6.いつでも・どこでも・どのデバイスでも楽しめる!
   IP-VODサービス「milplus(みるプラス)」をイッツコムひかりで提供開始

◆7.家庭のライフスタイルに合わせた豊富な組み合わせで
   スマートライフをとことん応援する『イッツコムひかり』提供開始

◆8. CTY・CNSにケーブルテレビのサービスと 電気、及び電気・ガスの
   お得なセットメニュー新登場~中部電力との提携により電気・ガスの販売を開始

◆9.コミュニティネットワークセンター、ケーブルサービスと電気・ガス
   お得なセットメニュー新登場~中部電力との提携によりガスの販売を開始~

◆10.水濡れや落下による故障・破損でも補償対象に!!
   J:COM NET 接続機器の故障・破損補償サービスを 4 月 1 日より提供開始

◆11.粕屋町とジェイコム九州、九州テレ・コミュニケーションズ
   「災害時における放送等に関する協定」を締結

◆12.千葉市の防災行政無線の放送内容を
   J:COM の「防災情報サービス」で 4 月 1 日から配信開始

◆13.住友電気工業、高密度地上デジタル自主放送用一体型センター装置の出荷を開始

◆14.日本アカデミー賞 7冠作品の「シン・ゴジラ」。早くも「ひかりTV」で提供決定!

◆15.アニメ「ルナたん~1万年のひみつ~」がアニメ配信アプリ“タテアニメ”
   で配信決定!

◆16.新感覚!歌とアニメで、お風呂がもっと楽しくなる♪
   「あわあわシャンポッポ」春のスッキリ!キャンペーン開始

◆17.キッズステーション-2017年5月放送予定作品

◆18.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内

 

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