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第495号「イチロー、新井、清宮、リオ、テレビの前の暑い夏」
[2016.07.19号]
【よいどれコラム】
7月も半ばを過ぎ、いよいよ28日(木)、29日(金)の2日間、有楽町の国際フォーラムで行われる『ケーブルコンベンション2016』が近づいてくる。このイベントに合わせて、前日、前々日にも、各種セミナーや会議なども行われるようで、この週は、ケーブルテレビ関係者が、銀座・有楽町・六本木・赤坂あたりの夜の街で、業界の将来についていろいろ意見を交換することになるのだろう。なかには、カバンからタブレットを出して、自社のニュースや番組を見せる方もいるだろうし、スマホのホーム画面の「じもテレ」のアイコンをタッチして、そこから同じようにニュースや番組を見せる方もいるだろう。
世界の国々の中でいえば、どちらかというと、日本は、国土の広い方ではないが、四季があることによって、日本国中、それぞれの地域で、四季の美しさを観ることができる。理屈からいえば、春夏秋冬、4倍の美しさがあるわけで、その地域の春を知っている人も、実は、他の季節を知らないことも多い。だから、それぞれの地域の四季折々の映像や食文化をテーマにした映像などを撮影し、地元で放送した後に、多少の編集を加え、(国内はもとより、国外からのアクセスを想定して)ネットからアクセスできる環境を整えておくことは、2020年に向けて必要不可欠である。
なにはともあれ、観光情報の発信になり、観光客誘致の切っ掛けになり、地元の人にも、ケーブルテレビの新たな役割を理解してもらえる「地元貢献の目に見える形」になる。
地元の自治体も、2020年に訪れる外国人観光客を取り込もうと、さまざまな戦略を練っている可能性があるので、どんな計画があるのか、探ってみて、協力できるところは協力し、独自に展開するべきことは独自に展開する腹づもりでいた方がいいだろう。いずれにしろ、映像制作は、十八番のはずなので、その辺を突っ込むと、何か予算がある可能性もある。過去に、少ない予算で、多大な仕事を背負い込んだなど、苦い思いをしているところは、それはそれなりに、付き合い方を考えて、独自の展開を行うにしても、地元貢献、地域貢献のスローガンの下、観光情報の発信という点で、「協調路線」は維持した方がいいだろう。
うちの街は、東京から遠く離れているから、外国人がわざわざ来るわけはない、という発想は、はなから試合放棄で、せっかくの好機を自ら逃がすようなものである。米国のカリフォルニア州より面積の少ない日本のあちこちに行くことは、旅慣れた人びとにとっては、さして苦にもならない。特に欧米人は、自分の興味のある地域の情報をネットで調べて、ピンポイントで、(少人数で)そこを訪れるだろう。ピンポイントになる情報をどうやって発信するかは、自社の映像素材がまずありきなのはいうまでもないが、地元に住んでいる外国人の協力を得たり、地域の大学に留学生として来ている外国人の協力を得て、ツイッターで発信するとか、いろいろ手段は考えられるだろう。
すでに、東京の鉄道各社、東京メトロなどが、切符売り場や改札、駅のホームなどに、日本語、英語、中国語、韓国語の案内板を設置し始めている他、その他の外国語による案内の翻訳マシーン(ロボットを含めて)などのトライアルも行っており、このあたりのIT市場の広がりは、大きなものがある。6月29日(水)~7月1日(金)まで、東京ビッグサイトを会場に、リードエグジビションジャパン(株)主催の『コンテンツ 東京2016』(構成展示会:第6回 キャラクター&ブランド ライセンス展、第5回 クリエイターEXPO、第4回 プロダクションEXXPO、第4回 制作・配信 ソリューション展、第2回 コンテンツ マーケティングEXPO、第2回 先端コンテンツ技術展、特設 AI・人工知能ワールド)が開催された。予定が重なっており、会場へは足を運べなかったが、『NHK World TV』でレポートしていた。介護や癒やしなど、さまざまなロボットがレポートされており、こうしたイベントなども、その道の人たちにとってみれば、大いに興味の対象で、2020年あたりには、さらに盛り上がりをみせるかもしれない。(2020年には、東京ビッグサイトが、オリンピックの会場になるので、仮設の展示場を近くに作ることになっている。そういえば、東京国際フォーラムも、何か競技が行われる予定だから、2019年あたりから、ケーブルコンベンションの開催は、どこか他の場所になるのだろう。)
海外の政情不安は、ますます激しくなるばかりだ。15日、いつものシェーンに行くと、いつものKがお休みで、代理講師のWが待っていた。ロンドンから南へ1時間ほどのブライトン出身の男性で、27歳。ブライトンは、いろいろな意味で、米国のサンフランシスコに似ているという。大学を出て、1年間、工場の現場などで働いた。両親が、家にお金を入れてくれといわなかったので、お金が出来た。貯まったお金で、7ヶ月間、インドの3ヶ月滞在に始まり、東南アジアの国々を回った。その他にも世界の国々を回っているようで、大学時代に行ったのだろう。「日本の食べ物で、何が一番好きか?」と聞くと、「スシだ」という。「生魚が食べられるのか?」と聞くと、(筆者が最後にイギリスを訪れた1997年あたりは、まだまだだが)今では、みんなスシを好んで食べているという。しかも、イギリスの高級スシは、日本のそれなりに安い庶民のスシと同じくらいの味だそうで、それほど高くない給料から、高い部屋代を払っていても、たまには、スシを食べるのだそうだ。
日本は、まだアタックされていない国だ、といっていた。リオ五輪がなにごともなく閉幕することを祈念するとともに、2020年の東京五輪に向け、平和を維持するためのなにがしかの準備を始めなくてはいけないのだろう。(い)
【目 次】
◆1.INTX2016視察報告 - 中谷雅文氏邸訪問
◆2.ケーブルテレビ業界共通の4K 専門チャンネル 「ケーブル4K」
初の生中継を8 月11 日&15 日に実施
◆3.平成28年3月期CCJグループ決算概要
-グループ3社とも主要3サービス(TV・インターネット・電話)
利用者数増加により、増収増益決算を達成
◆4.「地域社会発展のための包括的連携に関する協定」を
熊本県合志市とジェイコム九州が締結
◆5.“高校生ストリートダンス日本一決定戦”がキックオフ
「第2回全国高等学校日本大通りストリートダンスバトル」実施について
◆6.NHKが実施する「リオ・オリンピックの実験的な4Kネット配信」に
「ひかりTV」が対応
◆7.キッズステーション 番組案内
-9月放送予定 TV初・CS初・ベーシックCH初・KIDS初放送作品のご紹介-
◆8.NHK放送研修センター《ケーブルテレビ研修》案内
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